オンライン授業が一般化し、新しい生活にも慣れてきた今日この頃。「この学生生活はいつまで続くのだろうか?」と、私と同じことを感じている大学生も多いのではないでしょうか。
この記事を読んでいる新しいガジェットを導入したいと考える大学生であれば、ヘッドホンやマウスといった機材など既にオンライン授業を快適に行うために多くの対策を施してきたことでしょう。
しかし、モニターという存在には「手を出したくても出せていない」そんな学生も多いと思います。
ですが、来年度の授業もオンラインで続けることが決まっている大学が多い以上、この機会にモニターを買って授業をもっと快適にしたい。そんな風に考えている方も多いはずです。
そんな訳で今回は、モニターについて知っておくと役立つ情報を解説します。
この記事は前半と後半に分かれており、前半では「モニターについての基礎知識」を、後半では「オススメのモニター」について解説・紹介していきます。
今回は現役大学生より意見を頂き、それらの情報も折り込みました。より多くの学生の参考になると幸いです。
モニターのある生活
まず、モニターがあるとどんなことが便利なのか?をTwitterを通して実際に使用している大学生に聞いてみました。
すると、作業スペースを広げることができ、作業がやりやすくなるといった意見や、目が疲れなくて快適になるといった意見が見られました。
確かに、オンライン授業が多くなった現代においては一回の授業で開くアプリの数も非常に多くなっていますし、同時に作業することも増えています。
それを考えるとモニターはあった方が生産性を高くすることが出来ると言えるでしょうし、大学生なら持っていたほうが良いはずです。
また、ゲーム機でゲームをするにしてもモニターがなければやることが出来ない機種も存在しますし、モニターがあることで自分のやりたいことを広げられるといったこともあるでしょう。
以上のことを考えると、モニターがあることで生活の質が良くなり、作業の質も良くなる。投資して後悔のない商品だと言えます。
モニターの種類とそれぞれのメリット・デメリット
では、様々なモニターの種類とそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。
まず、モニターには大きく分けて2つの種類があり、「据え置き型」と「モバイル型」で大きく分けることが出来ます。この記事では、この2つの種類のモニターについて解説していきます。
据え置き型モニター
スタンドが付いたテレビと同じようなタイプのモニター。画面サイズは幅広く、学校のパソコン室などの様々な場所で良く見かけるので「モニター = このタイプ」とイメージする方は多いと思います。基本的には21.5~27インチ辺りが一般的です。
画面が大きく、インターフェイスが多く搭載されている点が大きなメリットです。最近はテレビと同じ位のサイズも存在し、32インチのものや、21:9のワイドディスプレイを採用したものなどがあります。
また、機種によってはUSB端子などのインターフェイスが搭載されており、USBハブとして使用することも可能です。
その他にも大画面のモニターであればテレビを購入する必要がなくなることや、参入しているメーカーが多く、選択できる製品の幅が大きいのも特徴です。
デメリットは本体重量が重く、多くのスペースを確保しなくてはいけないこと、そして、配線が多くなる点です。
本体重量や場所の問題については製品の特性上どうしようもない問題なのですが、配線が多くなる問題についてはUSB Type-C対応のモニターを購入することで解決することも可能です。
また、画面が大きすぎるとウィンドウの整理が面倒といった問題は、OSがWindows 10であれば「Microsoft PowerToys」というMicrosoft公式のフリーソフトがあるのでそれを活用することで解決出来ます。
「PowerToys」の詳細は非常に分かりやすい記事がありますので、こちらの記事を参考にしてみてください。

モバイルモニター
キックスタンドを搭載した持ち運びが可能なモニターです。画面サイズは一般的なノートパソコンと同じくらいで、最近になり製品数が増えてきているモニターになります。
本体重量が軽く簡単に持ち運びが出来、場所をそこまで取らないこと、そして配線を少なく出来る点がメリットになります。
重量や本体のスペースもノートパソコンと同じ位なので据え置き型に比べて自由度が高いです。また、電源と映像出力をUSB Type-Cケーブル一つで出力できるので配線を少なく抑えることが出来ます。
画面サイズが小さいこと、搭載しているインターフェイスが少ないこと、怪しいメーカーが多い点がデメリットになります。画面サイズはノートパソコンと同じ14~15.6インチが一般的なので、据え置き型と比べてもどうしても画面サイズが小さくなってしまうことが多いです。
また、パソコンがUSB Type-Cの映像出力に対応していない場合、変換ケーブルなどで配線が多くなることや使用することが出来ないといった問題もあります。
以上のメリット・デメリットより、それぞれのモニターがどんな人に合っているかを挙げると以下のようになります。
- とにかく大画面で作業をしたい人
- 作業スペースが固定されている人
- モニター周辺に作業環境を構築したい人
- 大学、自宅の両方でモニターを使って作業したい人
- 自宅以外で作業することが多い人
- モニターを置くスペースを確保できない人
モニターを選ぶ上で知っておくべき知識
映像の出力規格について
この記事では最新よく使われる映像出力端子で以下の規格について解説します。興味があれば自分で調べてみてください。
【紹介する規格】
- HDMI
- DisplayPort
- USB Type-C
HDMIについて
簡単に言うと音声と映像、機器の制御信号を同時に転送できる規格です。テレビやブルーレイレコーダー等で採用されていることもあり、市民権を得ている規格になります。
HDMIにはminiHDMIなどのサイズが小さいものもありますが、据え置き型のモニターの多くは通常サイズのものが搭載されています。
また、長尺ケーブル(5m以上)の場合はノイズが入るのでノイズ対策のケーブルなども存在しています。
HDMIにはバージョンがあり、4Kや8Kのモニターを使用するといった状況ではケーブル、PC、モニターの全てにおいて規格の条件を揃えなければいけない場合があります。
そのため、状況次第ではお金がかかってしまうので注意が必要です。
DisplayPort / Type-C
最新のモニターではここで紹介するDisplayPortとUSB Type-Cを採用している機種が多いです。
DisplayPortについて


By Belkin – http://www.belkin.com/pressroom/releases/uploads/01_07_08DisplayPortCable.html, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5488295
DisplayPortは、DVIを置き換える目的で開発された規格です。先程紹介したHDMIと機能面は殆ど同じなのですが、より高速化を出来るように設計されているのが特徴です。そのため、最新のグラフィックボードや高解像度なディスプレイには必ずといっていい程搭載されています。
また、DisplayPortにはHDMI同様miniDisplayPortも存在します。(但し、搭載している機種はそこまで多くないです。)
USB Type-Cについて
USB Type-Cは、電源、映像、データ信号などをマルチで転送できる規格です。
そのため、Type-C端子自体はHDMIなどの様々な映像端子に変換することが出来ます。
また、Type-C同士で接続すると映像部分の出力はDisplayPortとして扱われるのも特徴です。
この端子は、最近のスマートフォンで多く扱われるようになったので知らない人は少ないかと思います。
USB Type-Cの注意点
先程紹介したUSB Type-Cは万能な端子ではあるものの、いくつか注意すべき点があります。
それは、USB Type-Cでもケーブルや端末次第で映像出力が出来ないことがあることです。その理由として、USB Type-C内でも配線されている端子の数によっては映像の出力はおろか、転送スピードが旧規格にしか対応していない場合があるからです。
そのため、USB Type-Cケーブルで映像を出力したい場合はそれらに対応するケーブルを購入しなければいけません。
また、USB Type-C同士で接続し、映像を出力する場合は「DisplayPort Alternateモード」に対応している必要があります。
ここでは解説しませんが、主に対応している規格としては、Macや最新のパソコンで多く搭載されている「Thunderbolt 3、4」が挙げられます。ですが、その他にも同規格に対応している端子は多く存在するので、詳しくは個別のパソコンの仕様を確認してください。
機種によっては映像出力で不具合が発生する可能性がある
USB Type-Cで映像を出力する場合、パソコンの一部の機種においては映像出力で不具合が発生する可能性があります。
特に最新のMacbook Air、Macbook Proに搭載されている「Apple M1」は要注意で、モニターのメーカーによっては注意喚起をしている場合があるので必ず使用前に確認しておきましょう。


EIZO側が公式で互換性について説明している
モニターを購入する上で確認しておくべきこと
以上の情報より、モニターを購入する上で確認しておくべき情報をまとめると以下のようになります。
- 自分のパソコンがどの映像出力に対応しているか
- 端子のサイズ
- モニターがどの規格の端子を搭載しているか
- 出力できる画質・フレームレート
モニターを購入する際はこの4つの状況についてメモを取った上で購入するようにしましょう。
モニターを選ぶ上でのおすすめの条件
その1:フルHD以上
もはや常識に近いくらいなのですが、はっきり言って最低限これくらいの画質はないと粗が目立ってしまい使用するのがキツくなります。
もし、モニターを日常的に多く使用するのであれば、解像度の良いモニターの方が作業時の疲労が軽減されたり、効率が上がるのでケチらないようにしましょう。
また、27インチ以降ならフルHDではなくQHDや4K等の高解像度のディスプレイがオススメです。
その2:USB Type-Cの入力に対応している
USB Type-Cの入力に対応していることで、パソコンを充電(機種による)が出来たり、ケーブルを一本化出来るなど弱点を穴埋め出来るので、据え置き型の場合は特に注目して対応しているか確認するようにしましょう。
モバイルモニターの場合は、多くの機種がUSB Type-Cに対応しているので、使用するパソコンが対応しているかどうかを見るようにしましょう。
評価などから選別したオススメのモニター
先程解説した2つの条件を基に選別したオススメのモニターを紹介したいと思います。
尚、ここで紹介した商品の実機を触ることが出来る場合は、家電量販店等で触ってから購入するようにしましょう。
据え置き型
価格と画質を両立したい
ここで紹介するモニターは多少値段は張りますが作業スペースをより広く確保できたり、作業時の疲労感を軽減することが出来ます。作業の「質」にこだわりたいという人にオススメです。
Dell 23.8型QHDワイドモニター P2421DC
このモニターの特徴は価格に対しての性能が優れていることで、3万円台ながらフルHDよりも解像度が高いQHDディスプレイを採用しています。
勿論、USB Type-Cによる映像出力にも対応しており、USBポートもUSB 3.0、USB2.0のポートがそれぞれ2つ、合計4ポート用意されています。
また、USB Type-C以外の出力にも対応しており、ゲーム機などを接続することが可能です。
このモニターを販売しているDell公式オンラインストアでは、定期的にクーポンや割引を行っているので、検討している方は定期的に覗いてみるといいでしょう。
Dellの据え置き型モニターについて |
Dell 24-30インチモニタ![]() |
HP U28 28型4K HDRディスプレイ 価格.com限定モデル
このモニターは4K HDRに対応しているモニターの中では最安値といっていい程コストパフォーマンスに優れており、「4Kモニターを欲しい方は是非一度検討してみて欲しい」そんな機種です。
USB Type-Cでの画面出力は勿論のこと、USB 3.0が3ポート搭載されており拡張性も十分に確保されています。また、デザインも他社の機種と比べてもカッコいいので見た目を重視している方にもオススメです。
このモニターの詳細 |
HP U28 28型4K HDRディスプレイ 価格.com限定モデル |
価格を重視したい
ここで紹介するモニターは低価格ながら求められている必要最低限の機能を兼ね備えている機種です。「モニター自体にあまり予算を掛けられない」といった方にオススメです。
PHILIPS 23.8型フルHDモニター 243S9A/11
このモニターは2021年現在、ある程度知名度のあるメーカーの機種でUSB Type-Cの映像出力に対応しているものの中で最安値の機種になります。
また、このモニターはただ価格が安いだけではなく、先程紹介した2台の機種にあったUSBポートも搭載されており拡張性も問題なく確保されています。ですので、「必要最低限で低価格」を重視したいと考える方にオススメできる機種といえるでしょう。
このモニターの詳細 |
Philips 23.8型フルHDモニター |
モバイルモニター
2万円以内で抑えたい
EVICIV 15.6型モバイルモニター
このモニターは1万円台で購入することの出来る数少ないモバイルモニターになります。
しかも、1万円台という価格ながらUSB Type-C他にmini Dsiplay Portからの映像出力や、壁掛けやモニターアームに対応できるVESAマウントを搭載するなどユーザーの状況に合わせて使用スタイルを変更することも可能になっています。
また、販売元のAmazonにおいては定期的にクーポンが配布されており、19,800円という定価から更に安く購入することが出来ますので、興味のある方は是非調べてみてはいかかでしょうか?
このモニターの詳細 |
EVICIV 15.6型モバイルモニター |
画面サイズと機能性を重視したい
ここで紹介するモニターは持ち運べる重量と最大限の画面サイズを兼ね備えた機種です。有名メーカーも多いので保証などのアフターサービスを重視したい方や、高い機能性を求めている方にオススメです。
EPSON 15.6型モバイルモニター LD16W61
このモニターは2万円台中間という価格帯ながら保証がとにかく保証が手厚い機種になります。性能は一般的なモバイルモニターとあまり変わらず目立った特徴はないのですが、最大の特徴は販売元である「EPSON Direct SHOP」の保証がとにかく充実していることです。
EPSON Direct SHOPには1年間の無償保証期間を延長する「お預かり修理」と落下や落雷などの標準保証でカバーされない範囲を保証する「安心プラス保証」の2種類が存在し、それぞれ最大6年間の保証を付けることが出来ます。
オプションにはなりますが「6年間」という保証期間の幅は他のモニターには存在しないので、仕事道具として長く使用したいと考えている方にオススメです。
このモニターの詳細 |
EPSON 15.6型モバイルモニター LD16W61 |
ASUS 15.6型モバイルモニター MB16ACR
このモニターはインターフェイスの数が最小限に抑えられ、他のASUS製パソコンと同じデザインを採用しているといった特徴がある機種です。また、モニター自体の評価が高くASUSという有名メーカーということで保証がしっかりしているなどの良さがあります。
ですので、この記事でも解説したDisplayPort Alternateモードに対応したパソコンを使用している人やASUS製ノートパソコンを使用している人にオススメです。
ただし、Nintendo Switchなどのゲーム機には対応していないので注意が必要です。
このモニターの詳細 |
ASUS 15.6型モバイルモニター MB16ACR |
I-O DATA 15.6型モバイルモニター EX-LDC161DBM
このモニターはモバイルモニターとしてはかなり速い応答速度4msを実現している機種で、仕事以外でもゲーム画面として活用できる機種です。また、インターフェイスもUSB Type-Cが2ポート、mini HDMIが1ポート搭載されているためDisplayPort Alternateモードに対応していない機種でも問題なく使用することが出来ます。
その他、無段階で角度を調整できるスタンドや操作性の高い設定メニューなど初めてモニターを使用する人にもオススメできるそんな機種といえるでしょう。
仕事のスキマ時間でゲームをしたり、スマホの映像を大画面で楽しみたいという方にオススメです。
このモニターの詳細 |
I-O DATA 15.6型モバイルモニター EX-LDC161DBM |
まとめ
今回は「大学生にモニターを勧める」という目的で解説記事を書きました。
この記事の要点を振り返ると以下の通りになります。
- モニターには「据え置き型」と「モバイル型」があり、それぞれにメリット・デメリットがあること
- USB Type-Cのみで映像を出力したい場合は「DisplayPort Alternateモード」に対応している必要があること
- モニターを購入する前に端子のサイズや自分のパソコンが対応している映像出力方式について確認しておこう
- これから購入するなら「フルHD以上」「USB Type-C搭載」モニターがオススメ
この記事を参考に、「あなたにあった最高のモニター」に出会えることを心より願っています。
また、この記事を作るのに当たっては、モニターを使用している現役大学生の意見を参考にさせて頂きました。協力して頂いた皆さん、本当にありがとうございました。
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