世界最高レベルのノイズキャンセリング性能という触れ込みで発売されたSONY WF-1000XM4。
筆者も2021年に発売されてから直ぐに予約、発売日からここまで長くに渡って使用してきました。
そんなWF-1000XM4も発売から2年を迎え、遂に9月1日には後継モデルのWF-1000XM5が発売されます。
この記事は、WF-1000XM4に興味を持っている方、購入を検討している方、そして「これから購入しても大丈夫か?」と気になっている方のために、2年間の使用経験をもとに、その魅力と弱点を詳しく解説します。
値下がりした中古品を狙っている人や、これから購入しようと考えている方の参考になると幸いです。
結論
結論、WF-1000XM4は発売から2年が経過するということを感じさせないレベルで良いイヤホンです。
音質、性能、機能性、ノイズキャンセリングといったあらゆる側面を見てもまだまだ現役として活躍できる、そんな機種だといえます。
音質については、最新のイヤホンと比較しても一歩も引かないクオリティを持っている他、未だ当機種を超えるイヤホンが少ないのも事実。
更に、アップデートでマルチポイント接続に対応したことで、使い勝手も向上しています。
筆者も2年間毎日のように使用していますが、「これに不満がある」と感じるポイントはほとんど見当たりません。
WF-1000XM3からWF-1000XM4に乗り換える際にあった「新機種が出たら直ぐに乗り換えたい」という気持ちが起きなかったのも事実です。
それだけ完成度が高いので、後継機種のWF-1000XM5が発表された中、あえてWF-1000XM4を選ぶという選択も悪くないといえます。
特に、コスパを重視するユーザーにとっては、現在の市場価格での購入は非常に魅力的です。
ここからのレビューではそういった点を踏まえて、2年間の使用で感じたWF-1000XM4の「良い点」と「気になる点」を詳しく解説していきます。
良い点
2年前の機種とは思えないレベルの音質
結論、WF-1000XM4の中で最も良い点は音質です。
2年前に発売された機種でありながら、その音質は今でも十分に通用するレベルであり、後から発売されたイヤホンと比較しても引けを取らないと感じています。
長時間の使用しても物足りなさや不満を感じることは殆どありません。
その音質をサポートする技術として、ワイヤレスでもハイレゾ相当の情報量を転送できるコーデックのLDACに対応している他、それ以外のコーデックでも同等の音質を実現するDSEE Extremeを搭載しています。
このため、どんな機種であっても最高レベルの音質を楽しめるのです。
筆者も多くのイヤホンを試聴してきましたが、事実、新しい世代の製品と比較したときにWF-1000XM4の方が良いと感じることも多いです。
実際、最近片耳のイヤホンを紛失し、一時的に別のイヤホンを利用していましたが、その間、WF-1000XM4の音質が恋しく感じるほどでした。
音質に関する好みは人それぞれ異なりますが、もし「音質の良い完全ワイヤレスイヤホン」という質問があれば、多くの人がこの製品を推すでしょう。
筆者としても、「このイヤホンを超える音質を持つ製品は少ない」という確信があります。
さらに、後継機種のWF-1000XM5が発売された後に聴き比べを行った所、イコライザの調整次第でWF-1000XM4でもXM5に迫る音を出すことができました。
それだけポテンシャルが高い機種なので、「あえてWF-1000XM5を買わずにイコライザを弄って楽しむ」というのも一つでしょう。
未だに他機種と張り合うことの多いレベルのノイズキャンセリング
ノイズキャンセリング機能も悪くないレベルでしっかり効いています。
最近は他の機種のノイズキャンセリングも優れていると感じることも多いですが、それであっても十分なレベルです。
屋内やバスの中といった場所では、音楽をかけてしまえば周りの音が殆ど聞こえなくなるレベルでノイズキャンセリングが効きます。
また、ノイズキャンセリングの効果でスマートフォンの音量を適正音量内に抑えることが可能なため、長時間の音楽鑑賞も問題ありません。
発売当時、「世界最高峰ノイズキャンセリング」と謳っていただけあって、最近の安い機種と比較すると性能は高いです。
ただ、WF-1000XM4の2つの弱点の一つがノイズキャンセリング(詳細は後で解説します)というのも事実なので、その点は最後までお読みいただけると幸いです。
過不足ない機能性
機能性に関しても過不足なく、むしろ十分すぎるほど充実しています。
歩行、ランニング、乗り物への乗車といった状態を判断し、ノイズキャンセリング機能を調整してくれる「アダプティブサウンドコントロール」を初めとして、多くの機能を搭載。
片耳での使用・操作も自由自在なので、状況に応じた使い分けが可能です。
通勤やランニング時の汗や突然の雨に対応できる、IPX4相当の防滴性能も装備。
前述のアダプティブサウンドコントロールと組み合わせることで、どんなシーンでも快適に使用することができます。
Google AssistantやAmazon Alexaといった音声アシスタント機能にも対応しており、音声だけで、通知の読み上げや天気の確認、オーディオの操作が可能です。
さらに、本体アップデートでマルチポイント接続にも対応。
完全ワイヤレスイヤホンの中では「向かうところ敵なし」状態まで進化しています。
Google FastPairやMicrosoftのSwift Pairに対応しているため、ペアリングの手間も少なく、簡単かつ迅速な接続が可能です。
スマートフォンからパソコン、音楽プレイヤーといったデバイスへの対応の幅広さ、そしてそれを活かした高い機能性は、このイヤホンの大きな魅力といえます。
十分過ぎるバッテリー持続時間
バッテリー持続時間についても日常使いには十分すぎるほど持つといえます。
イヤホン本体のみで使用した場合、ノイズキャンセリング機能をONにしても最大8時間の連続再生が可能です。
また、2回のケース充電を合わせると合計で最大24時間使用できます。
ノイズキャンセリングをOFFにした場合、イヤホン単体での連続再生時間が最大12時間に延び、ケースでの2回分の充電を合わせると、なんと最大36時間の使用ができます。
これだけ長時間使用することができるので、実際の使用シーンでバッテリー持続時間で困ったことはありません。
さらに、急速充電にも対応しており、5分の充電で最大60分の再生が可能。
例えば睡眠中に使用した後、朝の支度の間に短時間の充電をするだけで、通勤や通学時に必要なバッテリー残量を確保することができます。
筆者は、音質のアップスケーリングとイコライザを使用しているので、正直8時間持つことはありません。
しかし、途中で耳が疲れて休憩を取るタイミングまでバッテリーが持ち続けるため、実用上困ることはないでしょう。
不満点
風切り音に弱いノイズキャンセリング
WF-1000XM4、最大の弱点は風切り音に弱いノイズキャンセリング性能です。
WF-1000XM4は構造的に外部からの風切り音に対して弱く、強風が吹かずともイヤホン周辺に風があると風切り音が入ってしまいます。
スマートフォンアプリの「Headphones Connect」を使用することで、風切り音低減機能を使うことはできますが、それでも気になるレベルで風切り音が入るのも事実です。
そのため、屋外で電車を待ったり、バス待ちをする際には多少なりとも風切り音が気になってしまいます。
風のない屋内の環境においては気になりませんが、外出先での使用が多い完全ワイヤレスイヤホンにおいて、この弱点は少しばかりキツいものがあるのも事実。
後継機種のWF-1000XM5では、構造的に大きな改善を加えているため、風切り音はかなり軽減されているとのことですが、実際はどうなのでしょうか。
筆者は既にWF-1000XM5を注文しているので、実機が届いた所で検証していきたいところです。
ノイズキャンセリング性能を売りしているWF-1000XM4ですが、「風切り音」の影響でノイズ低減ができていないのは最大の弱点といえます。
状況次第ではバッテリー不良が起こる可能性あり
もう一つの弱点は、一部個体においてバッテリー不良が発生することです。
WF-1000XM4の一部個体には、片側のバッテリーが異常発熱&異常に早くバッテリーが消費される不具合が発生しています。
この不具合が起こる原因は、バッテリーの過度な発熱による寿命低下とのこと。
そのため、メーカー側からは「充電ケースに保護カバーを付けた状態で充電しないで」といった注意や、バッテリー劣化を抑えるソフトウェアアップデートがなされています。
ただ、そのどれもが本体の構造から対策している訳ではないので、どの個体でも問題が起こる可能性があるのも事実。
大きな弱点の一つといえるでしょう。
尚、この不具合はソニー公式も認識されており、同様の不具合が発生した場合は保証期間関係なしに無償で本体交換を行ってくれます。
筆者も実際に2回ほど修理に出したのですが、最初の頃は18日近く使えない期間があったためかなり不満が残りました。
今では発送含めて3日で戻ってくるので問題ありませんが、中古個体にてこのような不具合に当たる可能性は十分にあるので、これから購入される際にはよく確認するようにしましょう。
まとめ
今回はSONY WF-1000XM4の2年間使用レビューをしました。
筆者が思うに、WF-1000XM4はバッテリー不良と風切り音さえ気にならなければ、未だに現役として活躍できる非常に良いイヤホンといえます。
イコライザを入れなくても良い音質と、過不足なく十分すぎる機能の数々、他の機種と比較してもしっかりと効くノイズキャンセリング機能も相まって、十分すぎる程完成度が高いです。
もし、バッテリー不良もなく、劣化がそこまで進んでいないのならば、次期作のWF-1000XM5に乗り換えなくても良いと感じました。
最後にWF-1000XM4がどんな人にオススメなのかをまとめてこの記事を終えたいと思います。
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