・外出先に持ち歩く荷物を軽くしたい
皆さんがノートパソコンを購入した時に必ず付属してくるACアダプター。サイズが大きいだけで持ち歩くにも荷物になるし、机のスペースも取る厄介な存在だと感じている人は多いのではないでしょうか?
筆者も新しいPCを購入してから1年半経ちますが、パソコン以外では使用できず、他の機器も充電できないサイズが大きいACアダプターにはっきり言って迷惑しています。
ですが、最近のパソコンの多くに搭載されている「USB Type-C端子」。これを活用することでこの問題を解決することが可能なのです。
そんな訳で今回は、USB Type-C端子からパソコンを充電する方法と必要な商品の選び方を解説します。
「パソコン付属のACアダプターを持ち歩くのがダルい」「パソコン周りの持ち歩く荷物を軽くしたい」という方は是非最後までお読みください。
準備
結論、USB Type-C端子(画像参照)を搭載している機種ならば、そこからPCの充電を行うことが出来ます。

USB Type-C端子を簡単に言えば「これ一つで何でもこなせる万能端子」。データ転送、充電、映像出力といったこれまで複数あった端子の機能を全て一つで行えます。
また、USB Type-C端子はこれまでのUSB端子では実現できなかった量の電力を供給することが出来るため、PCの本体を充電することが可能です。
使い方としては、普通のUSB端子と同じく、ケーブルを使用して充電器や接続したい機器と繋いで使用します(ここは解説しなくても問題ないですよね…)。
今回のポイント
さて、ここからが今回のポイントです。
パソコンをUSB Type-Cから充電する場合にはパソコン本体、ACアダプター、ケーブル共に「USB PD」または「USB PD EPR」という規格に対応している必要となります。
USB PD(Power Delivery)とは、USBを使用した電源供給のための規格のことです。
規格上、最大100Wまで電源を供給することができ、スマートフォンの高速充電などを行う際にも使用されています。
また、USB PD EPRは最大240Wまで電源を供給することのできる「USB PDの上位互換」と思ってください。
対応の有無については、読者の皆さんのパソコンの仕様書や説明書を読んでほしいのですが、USB Type-C端子を搭載している大半の機種ならば対応している規格です。

規格についての詳細が気になる方は各自で調べてほしいのですが、ここで重要なのは「ACアダプターとケーブル、及びパソコン本体がUSB PDに対応していること」です。
これを満たさなければ(一部例外を除いて)USB Type-C端子からパソコンを充電することは出来ません。
その例として、iPhone付属の画像のような充電器はUSB PDに対応していないため充電出来ません。

要するに「USB PDに対応しているパソコン、ACアダプター、ケーブル」があればUSB Type-C端子から本体を充電することが出来るということです。
ACアダプター・ケーブルの選び方
ここからはACアダプターとケーブルの選び方を解説します。
ACアダプター
まず、ACアダプターを購入する前に、パソコン付属のACアダプターの出力を確認しましょう。
ACアダプター本体に書いてあるのでそこを見れば確認することが出来ます。
そして、出力数がPCのACアダプターと同様またはそれ以上のACアダプターを選ぶようにしましょう。

実際、パソコン付属のACアダプターより出力の低いものでも充電出来る機種は多いですが、充電速度が遅かったりパソコンを使用しながら充電すると、供給が追いつかずに充電できないことになるので注意が必要です。
また、パソコンが対応しているPDO(Power Data Object)も確認するようにしましょう。
PDOとは電圧(V)と電流(A)の組み合わせのことであり、USB PDは充電する機器とACアダプターでPDOを突き合わせ、対応している中から最適な組み合わせを選んで充電します。
そのため、パソコンが対応しているPDO次第では、付属のACアダプターよりも少ない電力で充電することも可能です。
ただし、PDOはパソコンメーカー側からデータが公開されていない場合が多いので、メーカーがUSB PD対応ACアダプターを販売している場合はその製品を確認しましょう。
ACアダプターの形状については、大学や会社など日常的に使用する場所のコンセントプラグの位置に合ったものを選ぶと良いでしょう。

ケーブル
ケーブルもACアダプター同様に出力が同等、それ以上のもの、普段の使用場所に合った形状のものを選びましょう。
また、61W以上の出力を求める場合は、ケーブルの中でも5A対応のものを選ぶ必要があるため、その点も注意が必要になります。
その他データ転送や映像出力を行いたい場合は、それらに対応しているケーブルを購入すると良いです。
以上を踏まえて、筆者オススメの商品は以下の通りです。もし、対応していれば購入する際の参考にしてください。
小型・軽量なものを求めている場合にオススメのACアダプターです。
少し奥まった場所にコンセントがある場合にオススメの商品です。
小型・軽量かつ大容量のものを求めている場合にオススメの商品です。
以下の製品は、最新型のMacbook ProやLet’s Noteといった大容量のACアダプターを使用する場合にオススメな商品です。
サイズは45W、65Wに比べて大きくなりますが、それでも後述するメリットを享受できるのでオススメです。
USB Type-Cにするメリット
筆者はスマートフォンの充電用にAUKEYの45W出力に対応したACアダプター、NIMASOのケーブルを所有しているためこれらを使用して感じたメリットを解説します。
メリット
USB Type-Cにすることによるメリットは大きく分けて4つあります。
荷物が軽くなる
USB PDに対応しているACアダプターはPC付属のものよりも小型かつ軽量な機種が多いです。
そのため、こういった商品を購入すれば鞄のサイズを小さくすることも可能ですし、荷物の重量を軽くすることが出来ます。

ACアダプターの位置を固定化することが出来る
外出する度にACアダプターのプラグを抜いて持ち運ぶ必要がなくなるのもメリットの一つです。
これまでのパソコン用ACアダプターの場合、予備を用意していなければ「大学や外出をする度に、自宅のコンセントからACアダプターを引き抜いて持ち歩く。」といったことがありました。
ですが、USB Type-Cを導入することによって、自宅ではPC付属のACアダプター、外出先ではUSB Type-CのACアダプターというように出来るため、やり方次第では外出前のひと手間を減らすことが可能です。
他の機器の充電にも対応できる
万が一、スマートフォンのバッテリーがピンチになったときでもケーブルを変更するだけで充電することが可能です。
これは、購入する充電器によって異なるのですが、USB Type-Cケーブルを別に用意するタイプのACアダプターの場合、ケーブルを変えることでスマートフォンの充電に使用することも可能です。
特に、パソコン同様のスマートフォンの端子がUSB Type-Cなら同じケーブルを共有出来るのでかなり便利です。
条件次第では充電速度が向上する
パソコンが対応しているPDOが大きい場合、付属のACアダプターを使用する時よりも高速に充電することが可能です。
例えば、VAIO SX14(2021年発売モデル)の場合、PDOは最大100Wまで対応しているため、付属ACアダプター(65W)より大きいものを使用することで、より高速に充電することが出来ます。
ただし、前述の通りパソコンがどのPDOに対応しているのかを確認することは難しいので、「荷物を軽くしたい」ということが目的の場合は付属のものや、メーカーが販売しているACアダプターを基準に選びましょう。
まとめ
今回はUSB Type-C端子からPCを充電する方法というテーマで解説しました。
この記事を簡単にまとめると…
2. ACアダプター、ケーブルを購入する際はPC付属のACアダプターの出力と同等またはそれ以上のものを選ぼう
3. 確認できる場合、パソコン側が対応しているPDO(電圧と電流の組み合わせ)とメーカー側が提供しているPD対応ACアダプターを確認しよう
4. USB PD対応ACアダプターにすることで、荷物の軽量化等のメリットがある
といった4つのことがあります。
この記事がきっかけでUSB Type-C端子でPCを充電する方法を知っていただけたら幸いです。
追記:USB Type-Cからパソコンが充電できない場合に確認すべきこと
この記事にたどり着いた方の多くは「USB Type-C端子からパソコンを充電できないため、対策法を知りたい」という目的で、閲覧されていることでしょう。
ここでは、そんな読者の方へ「USB Type-Cからパソコンが充電できない場合に確認すべき4つのこと」をご紹介します。
1. USB PDに対応していない
この記事の前半でも解説しましたが、USB Type-C端子からパソコンを充電する場合、(一部例外を除いて)USB PDという規格に対応している必要があります。
これは、充電したいパソコン、使用するACアダプター・ケーブル全てが対応している必要があり、どれか対応していない場合は充電することが出来ません。
まずは、使用している充電器、ケーブル、パソコンが本当にUSB PDに対応しているのかを確認しましょう。
2. USB PDに対応していても対応しているPDOがない
USB PDに対応していても、充電するパソコンとACアダプターのPDOが噛み合わない場合は充電することが出来ません。
USB PDは充電するパソコンとACアダプターのPDOを突き合わせて、最適なものを選択して充電します。
そのため、パソコンとACアダプターで対応しているPDOがない場合は充電されません。
パソコンが対応しているPDOを確認することは難しい(詳細は前述の通り)ため、メーカー側がPD対応ACアダプターを販売している場合はその製品を確認しましょう。
3. ケーブルが対応していない
USB PD対応ケーブルには3Aと5Aの2種類が存在し、3Aのケーブルの場合は60W(20(V)×3(A))以上の電力を流すことができません。
もし、PDOが60W以上となるパソコンを充電する場合、5A対応ケーブルを使用しましょう。
4. ACアダプターの出力が弱い
USB PD対応ACアダプターを使用していても複数のポートが存在する機種の場合、全ての合計が○○Wとなっている可能性があります。
その場合、ACアダプターのUSB Type-C端子から充電に必要なPDOを提供することが出来ず、充電できないのです。
もし、複数のポートが存在するACアダプターが存在する場合は、一つのポートがどれだけ出力できるのかを確認するようにしましょう。
確認する際には、複数台接続した場合の出力と単体で接続した場合の出力の両方を調べましょう。
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