10,000mAhのバッテリー容量を持ちながら、小型な本体と高いデザイン性を実現しているAnker 533 Power Bank(PowerCore 30W)。
10,000mAhという、スマートフォンの電池切れ防止として持ち運ぶには丁度いい容量のモバイルバッテリーなため、購入を検討されている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな製品を実際に使用して分かった「魅力」と「弱点」「この製品をオススメする人とそうでない人」を解説します。
新生活も始まり、スマートフォンの充電用として持ち歩くモバイルバッテリーを検討している方の参考になると幸いです。
結論:性能、デザインが充実した、気軽に持ち運べるモバイルバッテリー
結論、Anker 533 Power Bank (PowerCore 30W) の魅力と弱点は以下のようになります。
Anker 533 Power Bank(PowerCore 30W)は、普段からモバイルバッテリーを持ち運ぶ人にオススメです。
約220gという片手で持てる本体重量と、USB PDに対応したスマートフォンであれば高速充電できる性能、スマートフォンを1~2回充電できるバッテリー容量、持ち出したくなる個性豊かな本体カラーが相まって「気軽に持ち運べるモバイルバッテリー」として大活躍することでしょう。
モバイルバッテリー本体の充電についても、USB PDに対応している充電器とケーブルを使うことで短時間で満タンにできます。
一方、一度に2台USB PDの高速充電を行うと火種にならないか心配なレベルで本体が熱くなるのは弱点。使用中に少し心配になります。
また、付属品のポーチについても、袋から取り出すたびにホコリが付いてしまうので、気になる人は気になるのではないでしょうか。
より詳しい魅力と弱点は、「魅力」と「弱点」の項目でチェックしてみてください。
本体仕様
本体仕様は以下のとおりです。
メーカー側が公開している対応機種の一例として、iPhone 12~14シリーズ、MacBook Air (2022、M2)、iPad Air / Proシリーズ、Galaxy S20~22シリーズ、AirPods / AirPods Proといったものがあります。
また、本表はメーカーが公開している仕様書を元に記述しています。
実際の仕様に関しては、検証機材を取り揃えた後に追記しておきます。
魅力
片手で持てる、持ち運びしやすい本体サイズ
本モバイルバッテリー最大の魅力は「片手で持てて、持ち運びがしやすい本体サイズ」です。
10,000mAhという容量ながら、片手に収まる本体サイズであり、なおかつ本体重量も約220gと持ち運びにおいてもそこまで気になりません。
近年のスマートフォンもケース込みならこれくらいの重量になることも多いため、もう一台スマートフォンを持ち歩いているという感覚に近いでしょう。
それでいて、USB-Cを2ポート、USB-Aを1ポート搭載しており、同時に3台充電できる性能を持っているのだから驚きです。
筆者はUSB PD充電器とケーブル2本を入れているポーチに本製品を入れてみましたが、ちょっと大きめな充電器と同じくらいなので全然気になりません。
過去に所有していた7年前のモバイルバッテリー(容量はどちらも同じ)と比較してみても、あまりにも小さなサイズには驚きましたし、同世代のモバイルバッテリーを持っている人は買い替えてもいいのでは…と感じました。
メーカーが「世界最小クラス」を謳っているだけあって、荷物にならない程度のサイズ感とパワフルさを兼ね備えているのは本製品の大きな魅力です。
USB PD対応 給電も出力も高速
モバイルバッテリー本体の充電や外部機器への給電速度についてもかなり高速。
USB PDに対応しており、対応ケーブルを組み合わせることで最大30Wの高速充電が行えます。
これは、最新のiPhoneやXperiaといったスマートフォンの最大充電速度をカバーしているため、大抵のスマートフォンなら短時間で満タンにできるくらいの性能です。
また、充電速度不足になることもないので、充電しながらの使用も問題ありません。
更に、仕様表では明記はされていませんが、PPSにも対応しているらしく、Galaxyといった該当している機器を接続すれば、より効率的かつ発熱を防いで充電することもできます。
モバイルバッテリーで超高速充電に対応していることには驚きましたし、同時に「もうこんな時代が来ているのか」と感心しました。
その他にも、電源ボタンを2回押すことで低電流での充電にも対応。
スマートウォッチや完全ワイヤレスイヤホンといった、低出力で充電したほうがよい機器の充電も問題なくこなせます。
また、充電速度だけではなく、モバイルバッテリー側への給電速度も高速です。
モバイルバッテリー本体そのものも最大18Wの高速充電に対応しているため、対応充電器、ケーブルを組み合わせることで10,000mAhのバッテリーを短時間で充電することができます。
「急遽モバイルバッテリーが必要になった!」という場面でも、素早く充電して使用することができるのは有り難いです。
モバイルバッテリー本体から機器への充電も、モバイルバッテリー本体への給電も、全てが高速で行えるのはとても良い点だといえます。
安っぽさを感じない本体デザイン
本体デザインに関しても近年のAnker製品のデザインを踏襲しており、安っぽさを感じないように仕上がっています。
全体的にマット加工と光沢加工が上手く組み合わされており、近未来的なデザインに仕上がっている印象を受けました。
ディスプレイのあるフロントパーツは側面にエッジ加工がされており、蛍光灯などの光が反射することで本体の輪郭が浮き上がる点は特にカッコいいと感じた所です。
それでいて、ディスプレイのある部分と手で握る側面部分で質感も異なり、握る部分はザラザラしているので落としにくい機能性も兼ね備えています。
カラーリングについても、定番のブラックだけでなくブルーやパープル、筆者の購入したホワイトといった個性的な色も展開。
あなたの好きな色で、他のガジェットと雰囲気を合わせやすいのは良い点だと感じました。
また、本製品の色は他のAnker製充電器やケーブルと同じ色なので、統一することで一体感が生まれるのも魅力。
Ankerという同じメーカーで統一して楽しむのも一つでしょう。
Anker 533 Power Bankと同じ色展開をしている充電器・ケーブルの例
本体状態を確認しやすいフロントディスプレイ
この製品の「近未来感」を出している点の一つである、本体状態を確認できるフロントディスプレイ。
バッテリー残量や残り充電可能時間、本体充電時には満充電までの残り時間を確認できるようになっています。
文字潰れもなく、遠目から見る分にはキレイに見えるのは良い点だと感じました。
電源ボタンを一回押すだけで確認できるシンプルさは、操作に迷うことがないので誰でも直ぐに使用出来ます。
表示に関しても明るい場所では少し見にくいですが、暗い場所なら十分に確認できますし、スマートフォン等のディスプレイのように目に刺さる感覚もありません。
モバイルバッテリーの状態表示には色々なタイプがありますが、現時点で最先端を走っているのは間違えなくAnkerである。そう思わせるような機能でした。
「これだけ買えば全て済む」豊富な付属品
「これだけ買えば全て済む」そんなレベルで充実している付属品には筆者も感心しました。
USB-C to C ケーブルだけでなく、モバイルバッテリーと付属のケーブルがピッタリ入るポーチも付属。
筆者は、購入時点ではモバイルバッテリー以外付属品がないと思っていたので、いい意味で裏切られました。
付属のポーチも巾着袋のような形になっており、作り込みもしっかりしている代物。
昨今は付属品を減らしているメーカーが多いだけに、久々の充実した付属品には感動しました。
それと同時に、モバイルバッテリーを初めて所有する人にもおすすめできると感じました。
弱点
火種ならないか心配になるレベルで本体が熱くなる
最大の弱点は、他の機器を充電している時に本体がかなり熱くなることです。
本製品を初めて使用した時、スマートフォン2台に対して高速充電を行っていた所、火種にならないか心配になるレベルで本体が熱くなりました。
2台の機種を高速充電しているからかもしれませんが、一度に大容量の電力を供給するとバッテリー本体がやけどしそうになるレベルで熱くなります。
カイロ代わりには丁度いいと思いますが、思わず近くに燃えやすいものがないか心配してしまいました。
筆者も本製品を高速バスに持ち込んだ際、スマートフォンを充電中にあまりの熱さに「何か起こるかもしれない」と近くに持ってくる羽目になりました。
一応、モバイルバッテリーとしては認証規格(PSE認証)を取っているため、安全性的には問題ない….と考えていますが、やはり気になったので弱点として紹介しました。
ワンテンポ表示が遅いフロントディスプレイ
近未来感を演出している使いやすいディスプレイについても、微妙に気になる点が存在します。
それは、本体状態を確認しようとする度にメーカーロゴが現れることです。
本製品には「電源を切る」という概念がなく、充電したい機器を接続するか電源ボタンを押すことで本体が起動します。
そのためか、起動の度にメーカーロゴが表示され、バッテリー残量や残り充電時間を確認するにしてもワンテンポ遅れてしまいます。
最初の頃は「Ankerのロゴが出るなんて所有感が高くていいじゃないか」と感じましたが、毎度のように本体状態を確認するようになってからは突っかかるようになったのも事実。
この点はどうしようもないので我慢しますが、同じディスプレイを搭載するモバイルバッテリーもこんな感じと考えると、人次第で好き嫌いが別れると感じました。
付属品の品質には期待してはいけない
本製品の魅力の一つである「付属品」についても、その品質については期待しないほうがいいでしょう。
ケーブルについては普通に使えるものが搭載されており、使用上気になることは殆どありません。
しかし、巾着袋については話は別です。
使用していると袋内部の細かな繊維がモバイルバッテリーにまとわりついてくるため、袋から取り出す度に汚れてしまいます。
「付属品だからそこまで期待してはいけない」と言われたらそこまでですが、正直な話もう少しだけクオリティを上げても良かったのではないかと感じました。
もし、ホコリなどが気になる人はサードパーティ製品でポーチが出ているため、そちらも合わせて購入するといいでしょう。
この製品をオススメする人、そうじゃない人
この製品をおすすめできる人
この製品をおすすめできる人は以下の通りです。
この製品は、普段からモバイルバッテリーを使用する人からそうでない人まで幅広いライフスタイルに対応することが出来ます。
「普段から使用する人」にとっては、片手で持てる本体重量と、スマートフォンを1回~2回充電できるバッテリー容量、持ち出したくなる個性豊かな本体カラーが相まって「気軽に持ち運べるモバイルバッテリー」として大活躍することでしょう。
また、出張や旅行といった「急遽、モバイルバッテリーが必要になった人」にとっても、USB PDといった高速充電や、USB Type-Cケーブル1本で対応できる機動力、カバンに入れてもかさばらない本体サイズが上手く生きてきます。
モバイルバッテリー本体も高速充電出来ることは、どちらにとっても大きな魅力です。
このように、カジュアルに持ち出し、肌身離さず持ち運べるモバイルバッテリーが必要という方には大変おすすめできる製品といえます。
この製品より他の製品を選んだほうがいい人と、オススメの製品
逆に、この製品より他のものを選んだほうがいい人は以下の通りです。
災害対策やパソコンといった大容量出力が必要になる機器を充電する人にとっては、他の製品をオススメします。
その理由として、本製品は10,000mAhという、スマートフォンを1回~2回程度充電できる容量しか持ち合わせておらず、必要機器を充電すると直ぐに使えなくなってしまうからです。
「いつ電気が復活するか分からない。」長期戦になってもおかしくない災害時の対策用として購入するのはオススメしません。
また、USB PDも最大30W出力に抑えられており、45W、65W、95W出力が主流となるノートパソコンといった機器を充電しようとすると、パフォーマンスの低下や充電できない問題が発生する可能性があります。
もし、「災害対策用」や「パソコンも充電できるモバイルバッテリーを求めている人」は、より大容量のバッテリーを搭載している製品や、より高出力に対応している製品をオススメします。
高出力・大容量なモバイルバッテリー・ポータブル電源の一例と、オススメの製品
まとめ
今回はAnker 533 Power Bank(PowerCore 30W)のレビューを行いました。
本製品の魅力は以下の通りです。
- 世界最小クラスの本体サイズ・重量
- USB PDに対応した高速充電・高速給電
- 安っぽさを感じさせない本体デザイン
- 使いやすくて見やすい、フロントディスプレイ
- 豊富な付属品
本製品最大の魅力は「世界最小クラスの本体サイズ・重量」であり、本体カラーも他の製品と比較しても豊富なことです。
また、機能性も高く、機器によっては超高速充電が行えるといったことやモバイルバッテリー自体も高速で充電できるといった魅力もあります。
人によっては毎日持ち歩くモバイルバッテリー。
小型かつ高性能、それでいて自分好みの色を選びたいという方には唯一といってもいい選択肢でしょう。
本製品の弱点は以下の通りです。
- 複数台の機器を高速充電している際に起こる発熱
- ワンテンポ表示が遅れるフロントディスプレイ
- パソコンを充電するには物足りない充電速度
- 付属品の品質(特に巾着袋)
本製品最大の弱点は、複数台の機器を高速充電している際に起こる発熱であり、状況次第では火種にならないか心配になるほど熱くなります。
また、フロントディスプレイの表示もメーカーロゴをはさんでから情報が表示されるため、ワンテンポ遅れる点は人によって気になることでしょう。
また、本製品の充電速度はUSB PDでも30Wが限界であり、ノートパソコンといった機器を充電する場合、出力が足りない場合があります。
高出力が求められる機器の充電や、災害対策として検討している方にはオススメできません。
そういった用途を検討されている方は、同じAnkerから提供されているUSB-PD 65W出力に対応しているモバイルバッテリーやポータブル電源をオススメします。
Anker 533 Power Bank(PowerCore 30W)の購入先と価格
Anker 533 Power Bank(PowerCore 30W)の定価は5,990円です。
この価格については、Amazon、Anker公式オンラインストア、楽天市場の3つ、何処で買っても変わりません。
その代わり、Anker公式オンラインストアでは、Anker公式アプリからログインし購入すること、500円分のクーポンを使用出来ます。
Amazon、楽天市場であっても、今後行われるセール等で安くなる場合があるので気になっている方はアンテナを貼っておくと良いでしょう。
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