・VAIOの魅力ってどんな所?
・VAIOの弱点はどんな所?
・VAIOは他のパソコンより高いけど、それだけのお金を出す価値は何処にあるの?
このブログでは「大学生向けのパソコンの選び方」として、いくつもの記事を書いてきましたが、そんな筆者が実際に使用しているPCがあります。
それが、VAIO SX14とdynabook V7。
筆者はパソコンを多用する学科に在籍しているため、冗長性の確保を目的に2台のPCを保有しているのですが、今回はその中でも「メインデバイス」であるVAIO SX14についてのお話です。
大学に入学して3年間、ほぼ毎日のように講義や課題をこなすために活躍しているVAIO SX14。3年近く使用して分かった魅力と弱点を解説します。
長期使用でないと分からない点を踏まえてレビューするので、実際にVAIOを検討している方は是非参考にしてください。
筆者のVAIO SX14について
筆者のVAIO SX14は2020年1月に発表されたVJS142というモデルです。
スペックは以下の通り。
初期状態からの変更点として、CPUをCore i7にしたことやストレージを512GBへ増量、ディスプレイを4Kにしたこと、LTEに対応させたことが挙げられます。
尚、4年保証に加入することや特別仕様のRED EDITIONを選択するため、VAIO STOREで購入しました。
VAIO SX14の魅力
VJS142の魅力
様々な環境でPCを充電できる「5Vアシスト充電」
VAIO SX14は基本的に様々な環境で充電が出来ます。
それを実現しているのが「5Vアシスト充電」という機能。
この機能があることで、モバイルバッテリーであろうが、コンビニなどで売っている出力低い充電器であろうと、USB Type-C端子から電源供給があれば充電することがでできます。
この機能はあくまでも緊急時向けのものなので充電速度等には影響しますが、外出先でACアダプターを忘れたときには大変心強いです。
ですが、VAIO SX14(2022年モデル以降)では廃止されてしまった機能のため、この評価としました。
因みに、筆者は購入して以降この機能を1回も使用したことはありません。
全モデル共通の魅力
とにかく操作しやすい
- ・反射を考慮したノングレアのディスプレイ
- ・微妙に角度の付いたパームレスト
- ・入力感覚が気持ちいいキーボード
- ・拡張性の高いインターフェイス
これらの要素を統合すると、このような結論となります。
VAIO SX14は最初からビジネスマンの使用を想定しているため、長時間PCを操作する人々との相性は高いです。
実際にこれまで投稿してきた記事の大半をVAIO SX14で書いていますが、手持ちのdynabook V7や他のパソコンと比べても作業後の疲労感が少ないです。
ディスプレイも14インチと少し大きく、作業領域もかなり広いです。
また、ノングレアタイプのため作業中に周りの景色や自分の顔が反射することもありません。
一度作業すると長時間かかる課題やレポート、記事執筆もVAIO SX14だから乗り越えられていると感じています。
機能を兼ね備えた本体がとにかく美しい
過度な装飾を施しているわけではないのに本体が美しいのも魅力です。
それでいて、ただ美しいだけではなく機能を兼ね備えている所が評価できます。
例えば、VAIO独自とも言えるパームレストが傾くデザイン。
遠目から見るとパームレスト部分が浮いて見えるため美しく映るのですが、前述の通り、これは長時間操作しても疲れないように配慮された結果です。
全体的に機能を優先してデザインが考え抜かれているのが全モデル共通の魅力だといえます。
本体カラー全体も大人らしい美しい色合いであり、愛着が湧きやすい。
オンライン限定の全体を黒染めしたALL BLACK EDITIONは隠し刻印のキーボードと組み合わせることで、独特の一体感がある他、数量限定カラーである勝色や赤色も美しいです。
筆者は数量限定カラーのRED EDITIONを購入しましたが、何層にも塗られた独自の赤色は光の当たり方で様々な表情を映し出し、3年近く所有している今見ても飽きない魅力があります。
実際に「相棒」という意識は高まるし、使用者のやる気を湧かせてくれるのは間違えないでしょう。
シンプルなプリインストールソフト
プリインストールソフトはシステムソフトのアップデートツールと本体設定アプリ、独自のクリッピングツール、SIMカードの設定アプリ(LTE搭載モデルのみ)のみと、とにかくシンプル。PCに慣れている身にとっては余計なことをしなくて済むのは良い点です。
正直、初心者にはオススメできない点にもなりますが、仕事や大学の都合で沢山のソフトを入れる人にとって、リソースを割く邪魔なプリインストールソフトが殆ど入っていないのは良い点だといえます。
片手で持てる本体重量
14インチのノートパソコンでありながら本体重量が1kg近くに抑えられているのも魅力の一つ。
年々、性能向上に伴って排熱などの都合で重量はかさんでいるものの、排熱パーツの改良など企業努力も相まって1kg近い重量で抑えられています。
複数の教室を移動したり、パソコンを様々な場所を持ち出す大学生にとって軽量なのはものすごく大事なこと。
それでいて本体の耐久性もかなり高いので高評価です。
VAIO SX14の弱点
VJS142の弱点
画面やキーボードにホコリや汚れが付きやすい
これは他のモデルでも共通するかもしれませんが、画面やキーボードに汚れが付きやすいのが弱点である。
理由は定かではないのですが、キーボードと画面が本体を閉じた際に接触するため、付着した汚れが移動しているからだと推測できます。
また、パームレストも色次第では汚れがかなり目立ちます。
これは構造上しょうがないことなので、定期的に掃除することでしか対策できない点です。
ただ、パームレストがアルミ製でアルマイト加工が施されているので、変色しないのは良い点といえます。
タッチパッドが小さい
タッチパッドが小さいのも弱点です。
ジェスチャー操作が比較的多いWindows 10/11との相性はあまり良くありません。
操作できないことはないのですが、タッチパッドを触る際に指がパッドから直ぐにはみ出てしまうので不満に思うことが度々あります。
これはのちの世代(2021年モデルのVJS144以降)では改善されているので、この世代の弱点として評価しました。
片手で画面を開けられない
画面を開くとパームレスト部分が持ち上がる構造のため、片手で画面を開けられないのも弱点の一つです。
慣れれば不満に思うことはありませんが、筆者が以前使用していたSONY VAIO S13は片手で開くことが出来たので最初の頃は少しだけ戸惑った部分になります。
尚、2021年モデル(VJS144)以降では構造が見直され、パームレスト部分が持ち上がる姿勢は維持しつつ、片手で画面を開けるように改善されています。
Thunderbolt 3端子を搭載していない
USB Type-C端子は搭載しているものの、Thunderbolt 3を採用していない点は弱点です。
映像出力、充電などには対応しているのに、USB 3.1 Gen2に絞られているため転送速度や拡張性が下がります。
データ転送のみではないのがせめてもの救いですが、後述するこのPCの弱点を克服する手段が使えないのは致命的。
VAIO自体、Thunderbolt 3の搭載実績はVAIO S11(2016年発売モデル)であるはずなので実装できないことはないと考えますが、何故行わなかったのかが正直言って不明です。
これも後の世代(2021年のVJS144以降)では改善されている点なので、正直ぐぬぬ…となっています。
グラフィック性能は低い上に拡張できない
グラフィック性能が低いのも度々感じる不満点です。
処理性能は腐るほどあるのに、グラフィック性能が低いせいでゲームをこなすことができません。
グラフィック性能が低い原因として、エンジンがIntel UHD Graphicsになっていることが挙げらます。
筆者は偶にFINAL FANTASY ⅩⅣ(通称:FF14)をやるのですが、正直画質を落とさないと快適に行うことができないし、落としても偶にカクつくことがあります。
ゲームは仕方ないにせよ、コロナ禍においてZoomで講義を受けている時も、偶に画面が暗くなったりと度々筆者を苛つかせてきました。
日常動作では不満を感じませんが、ゲームや動画編集といったグラフィック性能が求められる場面で使用することを躊躇してしまいます。
正直、「内蔵グラフィックスが悪いのなら外部のものを使えば良い」という考えがあるのも事実です。
しかし、Thunderbolt 3を搭載しないVAIO SX14(VJS142)はその手を使うことが出来ません。
グラフィック性能については逃げ場がないので受け入れていますが、今後動画制作といったことをやる際には乗り換えようと考えています。
この点は後の世代(2020年冬モデルのVJS143以降)で改善されている点なので、今買う人は心配することはないでしょう。
4Kモデルだとバッテリー持ちが悪い
4Kモデルを買った段階である程度覚悟はしていましたが、バッテリー持ちが悪いのは気になる点です。
正直、バッテリー駆動では2時間も持ちません。
さらに、バッテリー駆動では本体の性能が若干低下します。
何故だが知りませんが、電源に接続して使用しないと性能が発揮できない上に、いつバッテリーが切れるか分からない不安感もある。
電源が確保できない外出先ではサブPCを使用することが多いのも事実です。
これも後の世代(VJS144以降)では改善されているとのことなのでこの評価としました。
高負荷時にファンがうるさい
パソコンに高負荷をかけているととにかくファンがうるさいです。
これはしょうがないことですが、Zoomやゲームをしている時にファンの音が気にかかるレベルでうるさく回転します。
ファンの音についても、実際にミーティング時にファンの回転音がマイクに入る上に、ノイズキャンセリングヘッドホンを使わなければかなり気になるレベルの音量です。
PCの限界を引き出そうと必死になっているのはよく分かりますが、もう少し性能をボトムアップした上で音を静かにしてほしかったと感じます。
耐久性はそこまで高くない
VAIOの魅力である耐久性についても、正直な話「うーん…」となっています。
それも、筆者はこの3年の間に2回も修理に出したからです。
実際、冒頭で話したdynabook V7を買ったのも1回目の修理に出した時。
確かに外部からの衝撃には強いのですが、高負荷をかけることが多い大学という場においては内部的に壊れる可能性が大いにあります。
故障内容と修理に関しては過去の記事を参照して欲しいのですが、パソコンが想定している以上に負荷をかけることが多い現代において、今後ファンの故障等が多発しないか心配している点です。
後継モデルにおいてはグラフィック性能自体に余裕が出てきたので故障率は下がっていると思いますが、VJS142においては弱点といえるでしょう。
全モデル共通の弱点
インターフェイス周りが微妙に使いづらい
VAIO SX14全体として、インターフェイス周りが微妙に使いづらいのが弱点です。
過去のモデルにおいて、VGAからType-Cまで様々な端子をサポートしていることは良い点といえます。
しかし、Thunderbolt 3をサポートしなかったり、VGAを廃してThunderbolt 3,4をサポートしたらSDカードスロットがなくなる等、微妙に使いづらくなっています。
おまけに、端子(特にUSB Type-C端子)の配置が一方に偏っているため、パソコンの置く位置に自由度がありません。
設計などの都合上、端子の位置を変えたりすることは難しいのはよく分かりますが、今一度ビジネスマンの視点に立ち返って本当に使いやすい端子や位置は何なのか?を考えて欲しいと思います。
まとめ
今回は長期使用をしないと分からないことを中心にVAIO SX14をレビューしてきました。
過去のレビューと比較してもボリュームフルになっており、少し内容に差異はありますがご容赦ください。
結局のところ、VAIO自体は非常に使いやすいパソコンです。
導入費用は他の機種よりも高いですが、使っているとその分の高揚感や満足感に満たされます。
持ち運びもしやすいし、処理性能の高い作業を行う人にとっては間違えない1台です。
是非、予算がある人は一回でもいいので検討対象として入れて欲しいし、個人的には大学生のPCとしては最高の選択だと断言します。
「こだわったPCを使いたい」「他の人と同じPCを使いたくない」という人にとっては間違えない選択となるので、検討してみてはいかがでしょうか。
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