「現在、VAIO SX14を使っているけど、そろそろ新しいVAIOに乗り換えたい」「VAIO F14とVAIO SX14、どっちを買えばいいか分からない」そう考えている人はいないでしょうか。
筆者も4年前のVAIO SX14を使用していますが、価格は安いけど性能が少し低いVAIO F14にするか、値段は高いけど性能は高いVAIO SX14にするか迷っているのも事実です。
そんな訳で今回は、VAIO SX14の乗り換え先として、VAIO F14とVAIO SX14を比較しながら「どちらを選ぶべきなのか」を解説したいと思います。
VAIO SX14とVAIO F14を比較する
早速、VAIO SX14とVAIO F14を比較していきます。
今回は以下の5つの視点で比較します。
比較1:スペックと選択できるオプション
比較1は「スペックと選択できるオプション」です。
VAIO SX14とVAIO F14のスペックは以下の通りになります。
このように、最低スペック同士を比較するとほぼ同じではありますが、Core i5以降のモデルを選択すると使用するCPUに大きな差が現れます。
また、搭載できるストレージ容量もVAIO SX14は最大2TBなのに対し、VAIO F14は最大1TB。
ディスプレイもVAIO SX14は14.0型 FHDディスプレイだけでなく、タッチパネルや4K HDR対応のものを選択することが可能です。
長時間に及ぶ動画編集やゲーム性能ではVAIO SX14が優位
また、VAIO SX14に採用されているPシリーズCPUは、VAIO F14に搭載されているUシリーズCPUに比べて、全体的に処理性能が高いのが特徴です。
それだけでなく、VAIO SX14には独自技術「VAIO TruePerformance」を搭載しており、長時間における作業を安定したパフォーマンスでこなせる仕組みがあります。
つまり、長時間没頭しやすいゲームや動画編集、画像編集といった場面ではVAIO SX14に軍配が上がります。
これらの作業ではCPUの性能だけでなく、ストレージやグラフィックスの性能も重要です。
ストレージは、VAIO SX14に搭載できる512GB以降のSSDは全てPCI Express×4 64Gb/sとより高速なものを採用。
SSDの転送速度については、各種アプリケーションのロード時間に大きく影響するため、頻繁な読み書きを求められるゲーム等で使用するならVAIO SX14の方が良いといえます。
実際のベンチマークスコアでは大きな差はない
では、実機のベンチマークスコアに違いはあるのでしょうか。
ここでは、筆者が友人から誘われたゲームである「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークスコアを元に比較します。
結論、ベンチマークスコアにそこまで差はありません。
既に同等スペックの機種を紹介している方のデータを引用すると、「デスクトップPC(高品質)設定」で以下のようなスコアになります。
詳細は掲載の引用元をご参照ください。
VAIO F14(2023年モデル)(Intel Core i7-1355U)スコア:4302(普通)
14.0型ワイド VAIOノート「VAIO F14」レビュー。最新世代の第13世代インテル® Core™ プロセッサー搭載、統一感のあるカラーとデザイン。手の届きやすい価格帯、131,800円(税込)~。 – ソニーが基本的に好き。|スマホタブレットからカメラまで情報満載
VAIO SX14(2023年モデル)(Intel Core i7-1360P)スコア:4827(普通)
第13世代インテル Coreプロセッサー搭載した「VAIO SX14 / VAIO SX12」実機レビュー。シネベンチスコアでVAIO Z の1.4倍のCPU性能。動作モードによりファンノイズ改善。 – ソニーが基本的に好き。|スマホタブレットからカメラまで情報満載
筆者が実際に計測している訳ではないのでこれ以上の言及は避けますが、ベンチマークスコアにおいては大きな差がないことが分かるでしょう。
そして、両機種ともに設定を「ノートPC(高品質)」や「ノートPC(標準品質)」にすれば快適に動作するといえます。
また、VAIO SX14はここから更に性能を上げることが出来る「秘策」が使えるので、それを使えばスムーズにプレイすることは可能です。(秘策については後で説明します。)
いずれのパソコンも「設定次第ではゲームや動画編集も問題なくこなせる」といえますが、快適にゲームをしたいと考える人には厳しいというのが筆者の結論です。
ただ、筆者のような言わば「カジュアルゲーマー」という立ち位置にいる人なら、どちらの機種を選んでも十分といえます。
比較2:インターフェイスと拡張性
比較2は、「インターフェイスと拡張性」です。
結論、違いは以下の通りになります。
決定的な違いは「Thunderbolt 4端子の存在」と「micro SDカードスロットの存在」です。
VAIO SX14はUSB Type-C端子にThunderbolt 4規格のものを採用しており、VAIO F14に搭載されているType-C端子の約4倍、最大40Gbpsの転送速度に対応しています。
そのため、比較1の「決定的な違い」でも触れた「秘策」を使用することが出来ます。
VAIO SX14は性能、VAIO F14は古い規格に対する拡張性が高い
そう、その「秘策」とは、外付けGPU(eGPU)です。
VAIO SX14ならば、eGPUを用意してThunderbolt 4端子に接続することでグラフィック性能を強化することが出来ます。
つまり、購入後にゲームや動画編集といったグラフィック系作業の効率を上げることが可能ということです。
この点は、動画編集やゲームを行うことを視野に入れている人にとって大きなアドバンテージとなります。
一方、VAIO F14のUSB Type-C端子はUSB 3.1 Gen 2規格で転送速度が遅い分、micro SDカードスロットがあります。
micro SDカードスロットは、マイコンへのOSイメージの書き込みや、カメラから撮影データをパソコンに移動する場合にあると便利なインターフェイスです。
カメラ関連でいえば、micro SDカードスロットより、通常サイズのSDカードスロットがあった方がいいです。
ですが、2021年モデル以降、SDカード周りのインターフェイスを全て廃止してしまったVAIO SX14に比べれば、「搭載しているだけマシ」といえます。
また、VAIO F14にはVAIO SX14よりもUSB Type-A端子が多く、古いガジェットやケーブルを使用する人にとって便利です。
拡張性の違いについてはまだまだあります。
VAIO F14は19.0Vの丸形充電端子を使用しており、付属のACアダプターも同じタイプのものになるのです。
一方、VAIO SX14はUSB Type-C端子から充電するため、65WのType-C ACアダプターが付属します。
両方のモデル共にUSB PDには対応していますが、付属品に大きな違いがあるのが特徴です。
以上より、VAIO SX14は最新規格に対する拡張性が高く、VAIO F14は古い規格の端子やケーブルに対する拡張性が高いと言えます。
比較3:デザインと質感
比較3は、「本体のデザインと質感」です。
結論として、VAIO SX14の方が本体の質感も高く、デザインも美しいです。
後述する価格を考えると妥当ではありますが、デザインや質感の影響する部分として具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
まとめると以下のようになります。
天板の素材 | 本体の厚み | 天板の加工 | |
---|---|---|---|
VAIO F14 | 樹脂 | 厚い | メタリック、光沢加工 |
VAIO SX14 | カーボン | 薄い | メタリック、光沢、マット加工 |
最大の違いは「天板」です。
VAIO SX14は天板にカーボン素材を使用しているのに対して、VAIO F14は樹脂素材となっています。
ノートパソコンにおける「天板の素材」は耐久性、重量、本体の厚み、価格にも影響するため大事な要素です。
その例として、VAIO F14はVAIO SX14と同じ耐久性を実現するために、天板が分厚くなっています。
その結果、VAIO F14の本体は分厚く、重量も増え、質感に影響しているのです。
見た目だけでなく、動的な質感も大きく異なる
筆者は以前、VAIO Pro BK(VAIO F14)とVAIO Pro PG(VAIO SX14)を同時に触れる機会がありましたが、その差は明らかでした。
画面を開く際の微妙な重さや、手で触れる時の厚さがまったく異なり、VAIO SX14と同じ感覚でVAIO F14を開こうとすると違和感がありました。
天板からは外れますが、パームレスト部分も同様で、VAIO F14はVAIO SX14と比較して底が厚くなっており、キーボードの高さも大きく変わります。
この点は、VAIO SX14を使ったことがある人ならばすぐに気づくでしょう。
塗装の質感についても、VAIO F14はメタリックで光沢感のあるものなのに対し、VAIO SX14は多様な塗装があります。
マットな仕上がりからメタリックや光沢感のあるものまで幅広く取り揃えているため、好みの質感のものを選ぶことができるのです。
決して、VAIO F14の質感が悪いという訳ではありません。
ですが、VAIO F14とVAIO SX14では、本体の操作感覚などから「体感できるレベルで差がある」のです。
比較4:バッテリー駆動時間
比較4は「バッテリー駆動時間」です。
結論、バッテリー駆動時間は以下の通りになります。
このように、VAIO F14とVAIO SX14では、同じディスプレイを搭載した状態でも約10時間近く差があることが分かります。
また、VAIO SX14のディスプレイをタッチパネルにしても約3.5時間、4倍の解像度を誇る4K HDRディスプレイにしても約1時間多く駆動します。
つまり、充電器を持っていかずに屋外で作業するのならば、VAIO SX14を選んだ方が良いのです。
ただ、VAIO F14のバッテリー駆動時間であっても、簡単な外出程度であれば充電器なしでも十分に対応することは出来るので、そこまで気にする必要はないでしょう。
比較5:値段
最後に比較するのは「値段」です。
結論、VAIO F14はVAIO SX14と比較して、10万円程安く購入できます。
この価格は、「Core i7 + RAM16GB + SSD512GB」という構成で組んでみた結果になりますが、皆さんはこの価格差をどう捉えるでしょうか。
これまでの比較で述べたように、VAIO SX14は全体的なパフォーマンスの高さやグラフィック性能の拡張性、軽量さ、長いバッテリー駆動時間などで優れています。
一方で、限られた予算内での購入やmicro SDカードスロットの重要性を考慮すると、VAIO F14が選ばれるでしょう。
もし「30万円や40万円のパソコンを買う余裕がある」というのであれば、VAIO SX14をおすすめします。
しかし、20万円以下で購入できて、カジュアルなゲームを楽しむには十分な性能を持つモデルが欲しいのであれば、VAIO F14も良い選択肢といえます。
結論
結論、VAIO SX14からの乗り換え先は、「エンドユーザーのこだわり」と「目指す先」によって異なるといえます。
これまでの比較情報を整理すると、以下のような結果になります。
どちらの機種を選んでも、文章作成や動画視聴などの軽いタスクから、ゲームや動画編集といった重いタスクまで問題なくこなせますので、「これじゃないとできない!」ということはほとんどありません。
したがって、最終的な選択は「エンドユーザーのこだわり」と「目指す先」によって決まるのです。
もし価格を重視するのであれば、VAIO F14が最適ですし、性能の拡張性や本体の質感にこだわるのであれば、VAIO SX14が適しています。
乗り換え先の機種で「現状を維持する」のであればVAIO F14を選ぶべきですし、「さらなる進化を追求する」のであればVAIO SX14を選ぶべきです。
まとめ
今回は、VAIO SX14の乗り換え先としてVAIO F14とVAIO SX14を比較しながら解説しました。
いずれの機種であっても、4年前のVAIO SX14から乗り換える分には確実に性能アップを図ることが出来るため、あとは「こだわり」と「お財布との相談」となるでしょう。
筆者に置き換えると、緊急性を要し「価格」にこだわることになったらVAIO F14を、「十分にお金を貯めるだけの時間、パソコンが持つ」というならVAIO SX14に乗り換えようと思いました。
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