・au版Galaxy S21 5Gをdocomoで使用したい
・5Gは受信するの?どこまで使用できるの?
・使用する上での注意点は何?
このような「もやもや」を解決する。
以前に、一括19,800円で購入したGalaxy S21 5G(SCG09)。この際、端末と同時に契約した学割プランの期間が終了することになったため、かねてより気になっていたahamo(ドコモ系)の回線を契約し、運用することとした。
この記事は、実際にau版Galaxy S21 5G(SCG09)とドコモのSIMを使って運用してみた結果をまとめたものである。
もし、au版Galaxy S21 5G(SCG09)でドコモ系SIMカードを使いたいと考えている人の参考になると幸いだ。
検証条件と予測
検証条件
今回は、前述の通りau版のGalaxy S21 5G(SCG09)とahamo(ドコモ系)の組み合わせで検証する。
知らない人のために解説をすると、Galaxy S21 5G(SCG09)は韓国Samusung社が販売するGalaxy S21 5Gのau向けモデルであり、昨今進みつつある他キャリアでの使用を想定したバンド構成にはなっていない。
この検証では、そんなau版Galaxy S21 5Gにahamo(docomo系列)のSIMカードを挿し、どこまで通信が行えるのか、5Gは受信するのか?を確認する。
検証場所は筆者が足を運びやすい石川県 金沢市近辺を中心に行う。
尚、Galaxy S21 5G(SCG09)はahamo公式のサイトでは動作確認済みの機種として記されている。
Galaxy S21 5Gの対応バンドは以下の通りだ。
5G | n28, n77, n78(3.5GHz, 3.7GHz) |
4G | Band 1, 3, 18, 28, 42 |
3G(W-CDMA) | Band Ⅰ |
予測
以下は検証前に私が予想したものである。
まず、au版Galaxy S21 5Gはdocomoが使用している5Gの周波数帯(n78)と転用5G(Band 28, 42)対応しているため、一部のエリアにおいて5Gの通信が可能であると推測する。
ただ、au専用に製造されている個体のため、国内ではdocomoのみが使用しているn79に対応していない。
そのため、ドコモが売りの一つとしている5G CA(n78とn79を組み合わせて通信する)には対応しておらず、速度はそこまで出ないことが予想できる。
また、郊外や山間部分をカバーするプラチナバンドであるBand 19に対応していない他、MFBIに対応していれば通信できるBand 26も搭載していない。
そのため、ドコモのプラチナバンドであるBand 19のみでカバーしているエリアでは圏外になる恐れがある。
以上の情報を踏まえ、どこまで使用できるのかを検証する。
検証結果
条件付きではあるが、問題なく動作する
結論、動作確認済みと記されているだけに、条件付きではあるが問題なく使用できる。
今回検証した石川県 金沢市近辺(瞬速5Gにも対応しているエリア)では、アンテナピクトも途切れることなく常に3~4本立っていることから推測するに、複数のLTEバンドを使用する5Gエリアでの使用はまず問題ないといえる。
逆に山間部などのBand 19のみ対応しているエリアにおいては、圏外または3G通信になることが予想される。
今回「条件付き」としたのはこれが理由である。
Band 19で対応しているエリアについてはドコモ公式サイトの「LTE(800MHz)」として色付けされている箇所を見ることで、確認することが出来る。
では、実際の所、Band 19のみの箇所ではどのような挙動をするのか?については、今回の検証では確認が出来なかった。
この点については、確認ができ次第順次記述していく次第だ。
状況次第では5Gも掴むが、理論上掴むはずのSub-6帯は掴まない
では、5Gはどうなのかについてだが、こちらも推測の通り、石川県 金沢市近辺では5G接続も出来ることを確認した。
ただ、5Gエリアであっても常時5G接続をしている訳ではなく、半分は4Gの表示を見ることがあるというのが印象だ。(これは対応バンドをカバーしているXperia 1Ⅱ(XQ-AT42)でも同じことが起こっている。)
また、電波測定アプリのNetmonster等を使用して通信状態を確認してみると、「形だけの5G」ではなく、しっかりと5Gの電波をつかんでいる。
昨今の5Gは本体上の表示が5Gになっているだけで、中身は4Gのままという場合もあるので、この点は良いといえるだろう。
では、Sub-6帯(n78)を受信するのかという話だが、今回の検証場所ではBand 42で接続されていることが多く、5G NSA表記があってもARFCNの表記はないといった形だった。
また、少し離れたn78が受信できるエリア(n78が受信できるXperia 1Ⅱで確認済みの場所)であってもn78を受信することはなかった。
このことから、Galaxy S21 5G(SCG09)で一部転用5G以外のSub-6帯の電波を掴むことはないといえる。
まとめ
ここまでの結果をまとめると、おおよその推測通り、エリアは限られるもののau版Galaxy S21 5G(SCG09)でドコモのSIMカードを使用することは可能である。
ただし、注意点としてドコモのプラチナバンドであるBand 19は受信しないため、「LTEエリア(800MHz)」のみで運用されている箇所では圏外または3Gでの通信となると推測される。
また、5G接続自体は行われるが、キャリア側が基地局で行っている認証などの都合からか一部転用を除くSub-6帯は受信しない。
だが、通信速度に関しては5G接続時で800Mbps以上を叩き出しており、状況次第ではSub-6帯を受信している機種より速いということもある。
もし、使用を検討している方は、自分の行動範囲をエリアマップなどで見て問題がないかを確認する他、使用できない時に備えてもう一台対応している機種を保有することで対応すべきだろう。
以上が検証結果である。
番外編
この検証を行ったあと、手持ちのSodtBank版Xperia 5Ⅲではdocomoの5Gを掴むのかどうかが気になったので確認することにした。検証条件は同じである。
その結果、SoftBank版Xperia 5Ⅲではdocomoの5G(しかもn78)をしっかり掴むという結果になった。
因みに、Softbank版のXperia 5Ⅲはahamoの動作確認済み機種の中に入っており、公式上では使用できることとなっているものの、まさかGalaxy S21 5G(SCG09)では掴まなかったn78の電波を掴むことには驚いたので番外編としてまとめた。
尚、Softbank版Xperia 5Ⅲはdocomo及びauのプラチナバンドをカバーしないため、Galaxy S21 5G同様の注意が必要である。
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